「その時間軸は、過去に封印されたものです」

 

手元の書物に触れようとした時、後ろから声を掛けられます。ほんのりと桃色の長い髪をふわりと揺らしながら、その女性は表情一つ変えずに続けます。

 

「その物語の時が再び開かれる時、ハッピーエンドとなるのでしょうか……? それは、読者のみ知り得ることなのでしょう」