それは突然の出来事。貴方の目の前に、巨大な図書館が出現しました。何処かの森でしょうか。辺りを見渡しても緑一色。人の気配や、物音ひとつしません。恐らくは人里離れた場所なのでしょう。遠くの方で鴉の鳴き声が響き渡ります。

 

正直なところ怪しさ満点ではあるものの、何も手掛かりがないことには元の場所に戻ることも出来ない。一度深呼吸した後、貴方は目の前の図書館のドアノブに手を掛けます。手入れがされていないのか埃がかったその扉を押すと、迷路のように連なる巨大図書館が広がっていました。

 

見上げると満天の星空が見える不思議な窓、螺旋状に続いている階段が中央にドンっと存在する館内。数千、いえ恐らくは数億冊はあるのかも知れません。綺麗に並べられたその書物の光景に貴方は圧倒されます。そんな貴方の元に、一人の青年が声を掛けました。

 

「ようこそ、クレアシオン・モンド【迷宮なる図書館】へ。此処は、数多くの物語の時間軸が封印された場所だ。俺はお前さんと今会ったばかりだ。趣味も名前もわからない。まだ言葉を紡いでいないからな。気になった書物があったら、触れてみたらどうだ? その方が楽しいと思うぜ!」

 

さぁ、貴方はどの時〈モノガタリ〉を開きますか?